コラム

サンプルブック(青)の紹介

製本業である私たちには、お得意様からご提供いただいた印刷物を加工してお返しするという仕事の特性上、「これが当社の製品です。」とご紹介する機会がなかなかありません。

とはいえ、印刷物の最終加工工程としてノウハウやアイデアを積み重ねてきており、当社だからこそご提供できる紙製品が多数あります。一回使っただけではもったいない、多くの方に使っていただきたい加工を集めて、サンプルブックを作ってみました。

ご提案や企画のアイデア出しに使えるサンプル集になっておりますので、ご希望の方は、お問い合わせよりご連絡ください。

コンセプト【三方断裁 × (特殊折り+型抜き)】

通常の中綴じ加工は8、16ページなどの折丁を作って丁合し、針金を打った後に、綺麗に仕上げるために最後の工程で天地小口の三方を断裁します。せっかく三方断裁をするのであれば、当社の得意とする特殊折りや抜きを組み合わせて、意図的に繋がっている部分と切れている部分の構成を作り、面白い表現ができないかと模索しながら制作いたしました。

ポイント1:アイレット綴じ+3色針金

中綴じの針金は、銀色を2ヶ所、背の高さの上下1/4の位置に打つことが常識ですが、実は、色や形状による差別化が可能です。

今回の針金の色は金色・銀色・銅色の3ヶ所打ちで、中央の金色の針金は外側に丸く膨らんだ形状のアイレット綴じになっています。ファイリングや壁掛けの用途で使われる針金ですが、見た目もユニークでデザインの要素としても使うこともできます。

ポイント2:袋とじ

通常、折丁の袋状の部分を三方断裁で切り落としてしまいますが、仕上がりサイズよりも小さくすることで切らずに残し、袋とじのように使うことができます。上下から覗ける仕様になっていますが、開かない様に糊で止めてしまうことも可能です。

今回は、繋がっている部分を仕上がり寸法よりも3mm程度短くした巻4折を折丁として使っています。さらに、抜き加工でチャックミシンを入れることで、破って開けるワクワク感を表現しました。どちらからでも切ることができる通常のミシン目とは異なり、切ってもらいたい方向へ誘導する効果があります。

ポイント3:天地別れ

冊子の中央には、天地が別れて独立してめくれる切れているページがあります。上下のページは内容に応じて、それぞれ高さの微調整が可能です。ほとんど使われることのない特殊折を折丁として使っていますので、どのように作っているのかぜひ手に取ってご覧ください。

制作する際のドブの調整、面付けの難度が高めの加工になりますが、その分インパクトのある加工です。

ポイント4:寸足らずページ

冊子のサイズに比べて、寸足らずな(短い)ページを作ることができます。今回はただ短くするだけではなく、抜き加工による曲線で切ったページにしました。マスコットの形状や、ロゴなど、アイデア次第で使い方は様々です。もちろん、直線であれば抜きを使わず再現することが可能です。

他のページと組み合わせての差分や比較の表現によく使用されます。表紙に使っても目を惹く効果を出すことができます。

ポイント5:ミシン目と切れ込み

裏表紙はアイレット綴じと合わせて壁掛けカレンダー風に使えるページにしました。窓部分の上部は切れていますが、横と下部はミシン目になっていて、完全にミシン目で囲うよりも切り取りやすい工夫をしています。

切り離した部分は、メモに使ったり、ポストカードや会員カードなど別の用途に再利用もできる、一度で二度おいしい加工です。紙の厚みや用途によって、ミシンのピッチ(切れている部分と繋がっている部分の割合)も調整することも可能です。

この記事を読んで気になった方は、下のボタンよりサンプル請求をお願いいたします。

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